史上最強の投手陣が集結 – カーショウ復帰で挑む2026年WBC

レジェンドの決断

2025年シーズン限りでドジャース一筋18年のキャリアに幕を下ろしたクレイトン・カーショウ。37歳のレジェンド左腕が、引退からわずか数ヶ月後にユニフォームを再び身にまとうという驚きのニュースが飛び込んできた。2026年WBCアメリカ代表への電撃参戦である。
サイ・ヤング賞3度、MVP1度、防御率タイトル5度。ワールドシリーズ3度制覇(2020年、2024年、2025年)。あらゆるタイトルを獲得してきたカーショウのキャリアで、唯一欠けていたピース。それがWBCだった。

2023年の悔恨

カーショウにとってWBC出場は長年の悲願だった。2023年大会では米国代表に内定し、ついに夢が叶うはずだった。しかし、過去の負傷歴を理由に保険加入ができず、出場を断念せざるを得なかった。
個人で別の保険に加入して大会出場の道を模索したが、国内での料金は「想像を絶するほど高額」。当時、カーショウは「非常にガッカリしている。本当に出場したかった。あのチームの一員としてプレーしたかった」と悔しさを滲ませていた。
あれから3年。引退という決断が、皮肉にも保険問題を解決した。現役選手ではないため、球団との契約や保険の縛りから解放されたのだ。

監督からの意外な電話

マーク・デローサ監督から最初に連絡を受けた際、カーショウはコーチ就任の話だと思っていた。「コーチでも何でもやる」と答えたカーショウに、デローサ監督は告げた。「選手としてだ」。
引退したばかりのレジェンドへの打診。それは前代未聞のオファーだった。しかし、カーショウはすぐに調整を開始した。「10〜12日前から投げ始めたけど、感触は悪くない。たぶん大丈夫だと思う」。37歳の左腕は、まだ衰えていなかった。

「保険」としての役割

自身の役割について、カーショウは冗談交じりにこう語る。「僕は『保険』みたいな存在でいいんだ。誰かが一息つきたい時、連投が必要な時、あるいは全く投げなくてもいい。ただ、このチームの一員でいられればそれでいい」。
現役投手には登板やイニング、投球数に制限がかかる。しかし、どの球団にも在籍していないカーショウにはその制限がない。デローサ監督にとって、自由に起用できる経験豊富な左腕は、短期決戦において計り知れない価値がある。
2025年シーズン、カーショウは11勝2敗、防御率3.36を記録。ポストシーズンでもブルペンから2度マウンドに上がり、ワールドシリーズ第3戦では延長12回2死満塁という極限の場面でピンチを切り抜けた。実力は証明済みだ。

大谷翔平との運命の対決?

元チームメイトである大谷翔平との対戦の可能性について尋ねられると、カーショウは本音を漏らした。
「そうなったら緊張すると思うね。もし決勝で日本代表相手に僕が投げることになったら、相当まずい場面だと思う。彼を抑えられる投手はたくさんいる。僕じゃなくていいよ」。
ユーモアの裏に隠れているのは、大谷への敬意と、かつてのチームメイトとの対決への複雑な思いだろう。ドジャースで共に過ごした日々。そして今、国の威信をかけた戦いで相まみえるかもしれない。それは野球という競技が持つドラマそのものだ。

史上最強の投手陣

カーショウが加わるアメリカ代表投手陣は、まさに豪華絢爛だ。2026年1月中旬時点で、すでに正式発表された投手陣と、メディアで期待される候補選手を分けて見ていこう。

【確定】正式発表された投手陣

タリク・スクーバル(タイガース)- 現代最高峰の左腕
2年連続サイ・ヤング賞を獲得した現代最高峰の左腕。2024年には18勝4敗、防御率2.39、228奪三振で投手三冠に輝き満票でサイ・ヤング賞を受賞、2025年も13勝6敗、防御率2.21、241奪三振と圧倒的な成績で2年連続のサイ・ヤング賞という歴史的快挙を成し遂げた。短期決戦でこれほど頼れる左腕はいない。12月18日に参加を正式表明した。
ポール・スキーンズ(パイレーツ)- 若きエース
22歳の若きエース。2023年ドラフト全体1位指名でパイレーツに入団後、昨年11勝3敗、防御率1.96、170奪三振でナ・リーグ新人王に輝いた。デローサ監督からの打診を受ける前に、自ら名乗り出たという逸話が示すように、大舞台への意欲は人一倍強い。
ローガン・ウェブ(ジャイアンツ)- 安定感の化身
ジャイアンツの先発投手として活躍する安定感抜群の右腕。派手さはないが,確実に仕事をこなす職人タイプの投手。12月18日に参加を正式表明した。
メイソン・ミラー(パドレス)- 剛球クローザー
160km/h後半の速球を投げる剛腕クローザー。その球速は圧倒的で、短期決戦での切り札として期待される。12月18日に参加を正式表明した。
デビッド・ベドナー(ヤンキース)
実績十分の右腕リリーフ投手。ヤンキースの勝利の方程式を担う一角として活躍している。12月18日に参加を正式表明した。
クレイ・ホームズ(ニューヨーク・メッツ)
元ヤンキースのクローザー。2024年にメッツに移籍し、救援陣の要として活躍。12月17日に参加を正式表明した。
ジョー・ライアン(ミネソタ・ツインズ)
ツインズの先発投手。安定した投球で先発ローテーションを支える。12月17日に参加を正式表明した。
その他の確定投手
ノーラン・マクリーン(12月17日表明)、マシュー・ボイド(12月3日表明)、ギャレット・ウィットロック(11月23日表明)など、実績ある投手陣が続々と名乗りを上げている。

【予想】参戦が期待される投手陣

ブレイク・スネル(ドジャース)
2018年と2023年に両リーグでサイ・ヤング賞を受賞した実績十分の左腕。2023年の被打率.181はMLBトップで、最速100マイル(約161キロ)のフォーシームと、ワンバウンドでも打者が手を出してしまうほどの落差のあるカーブが武器。参戦が実現すれば、スクーバルと共に左腕二枚看板となる。
ジョシュ・ヘイダー(アストロズ)
MLB最強クローザーの一人として名高い左腕。驚異的な奪三振率を誇り、試合終盤の最も重要な局面を任せられる絶対的守護神。もし参戦が決まれば、アメリカ代表のブルペンはさらに盤石なものとなる。

アーロン・ジャッジが主将を務める今回のアメリカ代表は、前回大会のリベンジに向けて例年以上に本気のメンバーが揃い、「史上最強」との呼び声も高い。投手陣だけでも、サイ・ヤング賞受賞者が複数名、新人王、そして伝説のカーショウ。これほどの布陣は、2006年の第1回大会以来だろう。
なお、正式なロースター全選手の発表は1月下旬が見込まれている。それまでに、さらなるサプライズ参戦があるかもしれない。

野球人生、最後の章

サイ・ヤング賞、MVP、ワールドシリーズ。カーショウはすべてを手に入れた。しかし、母国の代表として投げるという夢だけは、保険問題という思わぬ障壁に阻まれていた。
引退という決断が、逆説的にその夢への扉を開いた。37歳のレジェンドは、野球人生の「最後の章」として、星条旗を背負ってマウンドに立つ。
それは単なる復帰ではない。未完の物語に、自らの手で終止符を打つための挑戦なのだ。
2026年3月、世界が注目する舞台で、カーショウはどんなドラマを見せてくれるのだろうか。引退したレジェンドの電撃復帰は、WBCという大会に新たな物語を加えることになる。

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