NPBからメジャーへ!ポスティング制度という”夢の扉”
村上宗隆選手、岡本和真選手。二人の主砲が歩んだ異なる道
加速する日本人選手のMLB挑戦
2024-2025年のオフシーズンは、日本のプロ野球ファンにとって特別な時期となりました。元三冠王の村上宗隆選手、巨人の不動の4番・岡本和真選手。二人の主砲が、ポスティングシステムを通じてメジャーリーグへの扉をノックしました。
イチロー選手、松坂大輔選手、大谷翔平選手、山本由伸選手。多くのスター選手がこの制度を利用してMLBへと羽ばたいていきました。しかし、その仕組みや背景には、選手、球団、ファンそれぞれの複雑な思いが交錯しています。
ポスティング制度とは何か
ポスティング制度は、海外FA権を持たない選手が所属球団の承認を得て、MLBの全30球団と交渉できる仕組みです。申請期間は毎年11月1日から12月15日までで、申請後45日間が交渉期間となります。
この制度の特徴は、申請までは球団主導ですが、その後の移籍先選定や契約交渉は選手側が主導する点にあります。選手にとっては海外FA取得を待たずに若いうちから挑戦できるチャンスとなり、球団にとっては主力選手を失う代わりに譲渡金を得られる制度です。
譲渡金の計算は複雑ですが、メジャー契約の場合、契約総額の2500万ドルまでは20%、2500万超から5000万ドルまでは17.5%、5000万ドル超は15%を乗じた金額が所属球団に支払われます。
25歳ルールという壁
25歳未満かつプロ経験6年未満の選手は、マイナー契約に限定されます。このルールが大谷翔平選手や佐々木朗希選手のような若手スター選手に適用され、本来得られるはずの評価や報酬が制限されました。球団が受け取る譲渡金も少額となるため、若手選手のポスティングは球団側のメリットが小さいのが実状です。
それでも佐々木朗希選手を送り出したロッテのように、選手の夢を優先する判断もあります。一方で、球団によっては主力流出による戦力ダウンを懸念し、ポスティングを認めない方針を取るケースもあるのが実情です。
村上宗隆選手—期待と現実のギャップ
ヤクルトから11月8日にポスティング申請された村上宗隆選手は、12月22日午後5時(米東部時間)が交渉期限でした。2022年に56本塁打で三冠王を獲得し、通算8年間で打率.270、246本塁打という圧倒的な成績を残しています。
米移籍大手メディアは村上選手を8年1億8000万ドル(約279億円)と評価し、メッツ、レッドソックス、ドジャースが候補に挙がっていました。しかし、市場は具体化せず、村上選手の動向を正確に把握するのは困難な状況が続きました。
米識者は、村上選手の打撃力に慎重な見方を示し、守備の不安も加味すると大型契約は生まれないのではと指摘。パワーは評価されているものの、NPBでの高い三振率が懸念材料となっていました。
そして12月21日、村上選手はシカゴ・ホワイトソックスと2年3400万ドルの契約を締結。期待された大型契約とは程遠い金額での決着となりました。それでも、25歳という若さでメジャーの舞台に立つ権利を手にした意義は大きいといえます。
岡本和真選手—ブルージェイズと4年94億円で電撃合意
巨人が全盛期の主力選手をポスティングで送り出すのは史上初となります。日本のヤンキースと称される球団にとって、非常に難しい判断であったはずです。
岡本選手は空振りが少ない完成度の高い打者と評価され、2018年から2023年まで6年連続30本塁打以上を記録。通算1074試合で打率.277、248本塁打、OPS.882という実績を誇ります。
そして2026年1月3日(日本時間4日)、岡本選手はトロント・ブルージェイズと4年総額6000万ドル(約94億円)の契約で電撃合意しました。交渉期限が日本時間5日午前7時に迫る中での決断となりました。
契約には500万ドル(約7億5000万円)の契約金が含まれ、オプトアウト(契約破棄)権は付帯していません。巨人への譲渡金は約17億円となる見込みです。
ブルージェイズは2025年ワールドシリーズでドジャースに惜敗し、世界一まであと一歩と迫った強豪チームです。セ・リーグで3度のホームラン王に輝いた岡本選手が加わることで、さらに破壊力のある打線となることが期待されています。
入団会見で岡本選手は「トロントに世界一を持って帰ってくるためにすべてを出し切ってプレーしたい」と力強く語りました。背番号は「7」に決定しています。
今井達也選手—アストロズと3年契約締結
西武からポスティング申請された今井達也選手は、2026年1月2日(日本時間3日)にヒューストン・アストロズと3年総額5400万ドル(約84億8000万円)で契約を締結しました。
この契約の最大の特徴は、毎年オプトアウト条項が付帯していることです。投球回数によるインセンティブも含まれており、シーズン100イニングをクリアすれば300万ドル(約4億7000万円)が上乗せされ、最大6300万ドル(約98億8000万円)の契約となります。
2025年シーズンは24試合の先発登板で10勝5敗、防御率1.92、178奪三振と圧倒的な成績を残しました。特に6月17日の横浜DeNA戦では、球団記録を更新する1試合17奪三振を記録し、完封勝利を飾っています。
ポスティングで移籍した投手では、山本由伸選手、田中将大選手に次ぐ史上3番目の高額年俸となりました。背番号は「45」に決定しています。
ポスティング制度の光と影
選手にとってのメリット
- 海外FA権取得まで9年間待つ必要がなく、肉体的・技術的にピークの年齢でMLBに挑戦できる
- 全30球団と交渉できるため、希望に合った球団を選択可能
- 世界最高峰の舞台で大型契約を勝ち取るチャンスがある
球団にとってのジレンマ
球団には譲渡金という経済的メリットがある一方、ポスティングはあくまで選手を移籍させる制度です。移籍後にNPBに戻る際は自由契約扱いとなるため、古巣の球団やファンが心情的に受け入れがたい側面も持ち合わせています。
有原航平選手や上沢直之選手のように、ポスティングで移籍後わずか1、2年でNPBに戻り、しかも別球団に移籍するケースが問題視されています。日本ハムの新庄監督は「ポスティングで行って1年でダメでソフトバンクに行く、この流れはやめてほしい」と苦言を呈しました。
制度改善の必要性
ポスティングには以前から不備を指摘する声があり、改正を経て現行のものに至っています。NPBに早く復帰する選手が増えている現状を鑑みると、復帰時の規定見直しなど、さらなる改善が求められる時期かもしれません。
おわりに—夢と現実の狭間で
村上選手、岡本選手、そして今井選手。彼らの挑戦は、ポスティング制度の可能性と課題を浮き彫りにしました。期待された大型契約が実現しないケースもあれば、新たな環境で高評価を勝ち取るケースもあります。
それでも、選手たちは世界最高峰の舞台を目指して扉をノックし続けます。その背中には、日本のファンの期待と、球団の複雑な思いが交錯しています。
ポスティング制度は、選手の夢を叶える扉であると同時に、NPB全体の将来を考えさせる問いでもあります。彼らの活躍を見守りながら、私たちはこの制度の意義を改めて考える時期に来ているのかもしれません。
大切なグローブの価値を、丁寧に見極めます
選手が新たな舞台に挑戦するように、皆様が歩んでこられた軌跡であるグローブも、次なる世代へと繋ぐお手伝いをさせていただきます。野球グローブ宅配買取専門店「Bāalls」では、感謝の気持ちを込めて査定特典をご用意いたしました。
【現在の査定特典】
- ・初めてのご依頼:全品査定額を 20%アップ
- ・2回目以降:2点以上の同時依頼で 20%アップ
LINEで無料査定を申し込む
Bāalls — The Ball Game Loop